修士課程 工学専攻

修士課程 工学専攻

人間文化総合科学研究科
修士課程 工学専攻

人間文化総合科学研究科
修士課程 工学専攻

奈良女子大学は、2026年度より人間文化総合科学研究科 修士課程に『工学専攻』を新設します。本専攻は、2022年4月に開設した工学部に連なる大学院教育の組織として、複数の分野を自身の専門性から融合してイノベーションを行う人材が希求されている現代社会のニーズに応えるべく、分野横断的な知識に基づいて融合と協創を行うことのできる工学系女性人材を育成します。 

工学専攻の紹介


工学専攻では、「複数の分野を自身の専門性から融合してイノベーションを行う人材の育成」という基本理念に基づいて、分野横断的な知識に基づいて融合と協創を行える工学系女性人材を育成します。

学位授与・教育課程編成・入学者受入れの方針について、詳しくは、下記の参考資料をご覧ください。

理念・3つのポリシー

入学者受け入れの方針
アドミッション・ポリシー

教育理念

工学専攻では、人と自然が調和した豊かな社会を実現するために、高度な専門能力、ならびに異分野への理解力と高い倫理感を兼ね備えつつ、時代の流れに即した科学技術の発展に資する人材の育成を目指します。

教育課程編成・実施の方針
カリキュラム・ポリシー

基本的なカリキュラム構造

技術者としての倫理観や、研究開発に必要となる基礎を養成する科目群を「基礎群」とします。一方で、人間情報分野あるいは環境デザイン分野における専門知識や技術を修得し、課題の解決策を提案するとともに検証し、新たな技術を実現可能な形で提案する力を養成する科目群を「専門群」とします。また、異なる分野の知見を連携して活用する際に重要となる、チームで協働する能力や専門の異なる人に平易に説明する能力を企業との協創なども通じて涵養する科目群を「実践群」とします。さらに,修士課程での研究を通じて修士論文を執筆するための科目群を「論文等作成群」とします。

修了認定・学位授与の方針
ディプロマ・ポリシー

学位授与の前提となる教育理念

工学専攻では、「複数の分野を自身の専門性から融合してイノベーションを行う人材の育成」という基本理念に基づいて、分野横断的な知識に基づいて融合と協創を行える工学系女性人材を育成します。具体的には、次の3 つの能力「主体性」「専門性」「社会性」を身につけた人材を育成します。本専攻では、明確な問題意識に基づいて課題を設定し、その課題に主体的・積極的に取り組む意欲が求められます。

「主体性」

課題発見やニーズ創出を行う際に必要となる主体的な学修態度を身につけ、分野横断的な知識に基づいて多様な課題に自ら取り組める能力

「専門性」

サービスも含めた「ものづくり」において、課題の完遂に必要な専門知識と技術に基づく能力

「社会性」

多様な専門家とチームで協働し、異分野間でも効果的なコミュニケーション能力

研究概要

修士課程工学専攻は1つの専攻ですが、工学部と同様に【人間情報分野】と【環境デザイン分野】の2つの分野で教育研究プログラムがあります。研究内容は学部同様に4つのエリアで特色のある研究を実施しています。

【人間情報分野】では、人体を生理学的に理解し、それらを活用した新しい技術や装置の創出できる研究者・エンジニアを育成します。ヒトの特性と機能に関する深い理解を有し、そこから得られる結果を活用して機器を自ら創り出すとともに、収集したデータの新たな視点での処理・分析を考案し、また生体情報から得られた結果を活用して新たなシステム開発を行える人材育成を目指しています。

【環境デザイン分野】では、より安全で持続可能な社会環境や建築環境を創出できる研究者・エンジニアを育成します。環境物質や素材などを深く理解し、環境・エネルギー問題の解決に貢献する分子センサーや蓄電池材料などの機能性材料の研究開発や、人間の心理的・生理的・社会的な要因に関して深く理解し、現代社会の環境問題への対応や都市空間や室内空間などの空間をデザインできる人材育成を目指しています。

人間情報分野

生体医工学研究テーマ

生体医工学エリアは、身体内外から発信される生体情報を解析することで、呼吸循環、脳機能、認知科学、生体力学などの様々な生体調節メカニズムを研究しています。

主たる研究テーマ

起立性低血圧時の脳血流調節

多角的血管画像解析による血管機能評価

運動予測に対する脳活動

行動抑制の神経情報処理ネットワーク

感覚運動統合に基づく行動生成メカニズム

認知能力向上に伴う神経回路の適応的再構築

力の抑制時における運動制御メカニズム・筋動態の評価

高齢者の歩行機能評価とフレイル予防

子どもの運動調節能力の発達過程

人間情報分野

情報研究テーマ

情報エリアは、センシング、ヒューマンインターフェース、情報処理などの観点から、人間を取り巻く情報やシステムに関する様々な情報工学技術の研究と開発を行っています。

主たる研究テーマ

感覚情報処理に基づくインタフェース設計

センシングデータを用いた行動・状態推定アルゴリズム

機械学習・知能情報に基づく情報処理手法

人間–システム相互作用の設計と評価

ウェアラブル計測システムの構築

時系列データ解析による情報理解支援

感覚統合を考慮した情報提示技術

情報工学的設計支援手法

環境デザイン分野

人間環境研究テーマ

人間環境エリアは、人間と周囲に広がる環境の関係性に注目して、社会・文化環境、情報環境を含めて、より豊かで快適な空間や価値を創造する環境の工学的デザイン手法について研究しています。

主たる研究テーマ

コーポラティブハウスなどの集合住宅の新しい空間構成

隣接性と相似性によるランドスケープと建築の関係性について

モダニズムの住宅の分析

視覚芸術表現の実践について

デジタル技術を用いた芸術・人文学について

人間環境・社会をめぐる空間・制度デザインについて

人間高齢者や冷え性などの温熱的弱者の健康で快適な温熱環境

省エネルギー・環境共生と建築・住まい方

健康で快適な室内環境

環境デザイン分野

材料工学研究テーマ

材料工学エリアは、有機化学、無機化学、物理化学、高分子工学の観点から、分子レベルや原子レベルで工業製品の基盤になる材料を研究しています。

主たる研究テーマ

新規インテリジェント繊維の高次構造及び運動性解析

固体NMRによる液晶性分子の構造と分子運動に関する研究

生体機能の解明および環境分析に資する蛍光センサーの開発

金属含有酵素のモデル化と触媒反応メカニズムの解明

新規ゲル材料創製と機能材料への応用

ゲル状態を活用する新規機能材料の創製

エネルギー・環境問題の解決に資する蓄電デバイス材料の研究

有機色素を基盤とした光機能性物質の創製

近赤外吸収・発光分子材料の開発

教 員 紹 介

黒子 弘道 教授
KUROSU Hiromichi, Professor


研究概要

研究分野:高分子構造、固体NMR

才脇 直樹 教授
SAIWAKI Naoki, Professor


研究概要

研究分野:人間情報学、ヒューマンインターフェース、ウェアラブルコンピューティング

佐々 尚美 教授
SASSA Naomi, Professor


研究概要

研究分野:建築環境工学、人間工学、住環境学、環境共生

芝﨑 学 教授
SHIBASAKI Manabu, Professor


研究概要

研究分野:環境・運動生理学、生体医工学

中田 大貴 教授
NAKATA Hiroki, Professor


研究概要

研究分野:認知神経科学、 健康工学

長田 直之 教授
NAGATA Naoyuki, Professor


研究概要

研究分野:建築設計、都市デザイン、近現代建築史

長谷 圭城 教授
NAGATANI Tamaki, Professor


研究概要

研究分野:造形美術、造形教育

三方 裕司 教授
MIKATA Yuji, Professor


研究概要

研究分野:生物有機化学、生物無機化学、ケミカルバイオロジー

吉田 哲也 教授
YOSHIDA Tetsuya, Professor


研究概要

研究分野:機械学習、データサイエンス、知能情報学

大背戸 豊 准教授
OHSEDO Yutaka, Associate Professor


研究概要

研究分野:高分子材料、有機機能材料、ゲル材料

佐藤 克成 准教授
SATO Katsunari, Associate Professor


研究概要

研究分野:触感情報伝達、バーチャルリアリティ、五感インタフェース

山本 健太郎 准教授
YAMAMOTO Kentaro, Associate Professor


研究概要

研究分野:無機材料化学、電気化学

安在 絵美 専任講師
ANZAI Emi, Lecturer


研究概要

研究分野:人間情報学、福祉情報工学、生体情報計測工学

大高 千明 専任講師
OHTAKA Chiaki, Lecturer


研究概要

研究分野:生体力学、人間医工学

庄司 淳 助教
SHOJI Sunao, Assistant Professor


研究概要

研究分野:有機化学、超分子化学

修士・博士研究指導

ここでは、本大学院における今後の指導の例として、これまで指導教員のもとで研究・提出された修士・博士論文の題目例を紹介しています。

修士研究テーマ

  • 暑熱環境下における認知機能評価~時間的および空間的評価~
  • 起立時における脳循環調節や体性感覚処理過程の変化について
  • 運動開始時における思考の違いが脳活動に与える影響
  • 運動準備に伴う脳活動の測定手法の検討
  • 聴覚ホワイトノイズが自律神経系・脳活動に及ぼす効果の検討
  • 寒冷昇圧反射時の血管拡張反応に関する研究
  • 運動負荷提示方法による脳活動へ影響
  • 思春期の子どもにおける体性感覚認知処理特性と運動パフォーマンスの関連性の検討
  • 下肢動作の運動遂行・抑制過程に関する神経活動特性の検討
  • 力発揮時と弛緩時における利き手・非利き手の感覚運動統合特性の検討
  • 抑制機能トレーニングが行動-脳活動動態に及ぼす効果の検討
  • 局所性筋疲労が体性感覚-運動に関する脳活動動態に及ぼす影響の検討
  • 超音波振動がもたらす物体の触感変化
  • 筋電気刺激を用いた座位姿勢補助システムの開発
  • ロボットの台数と発話量が商品のかわいさに与える影響の検証
  • 介護食支援のための食感拡張システムの開発 
  • 不気味な外観を持つロボットの効果-人々に影響を与えるもののけロボット
  • 前十字靭帯損傷リスク推定のためのインソール型足底圧計測システムの開発
  • 船舶からの海中転落事故救助サポートのためのスマートウェアの開発
  • アトピー性皮膚炎改善に向けた加速度計測による掻破行動検知技術の開発
  • 文字列の編集操作に基づく文字解読の改良に関する研究
  • 花紋スモッキングの展開図に対するモジュール
  • 花紋折りに基づくスモッキングパターンの定式化とデザイン支援への応用
  • 遺伝子多型解析を用いた抑制機能に関わる脳活動特性の検討
  • 観察学習における脳活動と個人の認知的要因との関連性の検討
  • 全身動作の運動イメージに関連した脳活動特性の検討
  • 絹を用いた新規インテリジェント繊維の高次構造及び運動性解析
  • ナイロン66を用いた新規インテリジェント繊維の高次構造及び運動性解析
  • 新規センシング繊維の高次構造解析
  • ホーネットシルクの固体NMRおよび量子化学計算による高次構造解析
  • 固体NMRによる液晶性ポリオレフィンの構造と分子運動に関する研究
  • キノリン類縁体を有する五座配位子に支持された銅およびマンガン錯体の構造と酸化還元挙動
  • (イソ)キノリン部位を有する含酸素五座配位子を用いた銅およびマンガン錯体の酸化還元挙動
  • エチレンジアミン骨格を有するキノリン誘導体のカドミウムイオン特異的蛍光応答
  • 蛍光プローブ化合物を使用したコメ中のカドミウム簡便測定法の検討と新規カドミウムセンサーの合成
  • キノリン類縁体を有する含酸素配位子を用いた金属錯体の構造と特性
  • カドミウムイオン選択的蛍光応答を示すビスキノリン型四座配位子の開発
  • 導電性複合ヒドロゲル材料の創製とグルコースセンシングへの応用
  • 新規抗菌性ペプチド固定化繊維の創出
  • 抗菌活性を有する吸収性シルク縫合糸の創出
  • 新規機能性シルクモノフィラメントの創成と特性評価
  • 導電性高分子/高分子ヒドロゲル複合体の膨潤挙動と電気物性の評価
  • WO3複合化チキソトロピー性ヒドロゲル材料の創製と電気化学特性評価
  • Improving cyclability of LiNiO2 at elevated temperature using highly concentrated electrolyte(高濃度電解液を用いた高温環境下でのLiNiO2のサイクル特性改善)
  • Degradation Mechanism of Coating Material for Cathode at High Potential in Sulfide-Type All-Solid-State Batteries(硫化物型全固体電池における正極表面コート材料の高電位劣化機構の解明)
  • 電池形成プロセス確立のためのin situ 軟X線吸収分光法を用いた硫化物固体電解質と水との反応機構の解明
  • カノーヴァ彫刻館におけるカルロ・スカルパの展⽰設計の特異性の考察
  • ⽊質系建築の潮流とその可能性
  • アルネ・ヤコブセンのデザインにおける空間とエレメントの関係について
  • 夏期における快眠のための睡眠環境に関する研究
  • 温熱的快適性の季節と着衣の影響に関する研究
  • 冬期の上下温度差と気流が執務者に与える影響
  • 肢部の加温・保温が仮眠に及ぼす影響
  • 冷房環境下における自動制御による温熱快適性向上に関する研究
  • レッグウェア着⽤による冬期の睡眠への影響について
  • 大学生を対象とした睡眠-覚醒リズムの変容に関する実測調査研究
  • 自宅学習における姿勢が疲労・パフォーマンスに及ぼす影響について
  • 換気による温熱環境が執務者の生理心理反応に及ぼす影響について
  • 告別空間に設ける光庭の 印象に関する視覚的研究
  • 茶室の印象に対する心理的な要因についての研究
  • 定住しない暮らし ―2040年における新時代の暮らし⽅―(修士設計)
  • CLTによる⽊質建築物の提案(修士設計)
  • 鶴橋駅の改築について(修士設計)
  • 印象派建築(修士設計)
  • 梅⽥ライブラリライン ―インターネットで建築と個⼈を繋ぐ―(修士設計)
  • 新旧の共存・第三世代のその先を⽬指して ―奈良⾼畑町における新たな美術館の可能性―(修士設計)
  • SUSAMI trail ―和歌⼭県⻄牟婁郡すさみ町周参⾒地区における事前復興まちづくり―(修士設計)
  • 温泉街新たな可能性について―湯の⼭温泉における傾斜地を利⽤した空間構成による提案―(修士設計)
  • 「庭」に近い暮らし ー中国広州における集合住宅の提案ー(修士設計)

博士研究テーマ

  • 更年期女性における情動処理と注意制御の神経基盤
  • 背景ノイズによる認知機能への影響 -音環境による中高齢者のQOL向上-
  • 発達・加齢に伴う感覚-運動機能に関する研究
  • Design Guideline of High-Packing-Density Composite Cathodes for All-Solid-State Lithium-Sulfur Batteries(全固体リチウム硫黄電池用高充填密度合剤正極の設計)
  • Development of High-capacity Cathodes by using Anionic redox for All-solid-state Fluoride ion batteries (アニオンレドックスを活用した全固体フッ化物イオン電池用高容量正極の開発)
  • Development of Iron-based Oxyfluoride Cathodes for High Energy Density All-Solid-State Fluoride-ion Batteries (高エネルギー密度全固体フッ化物電池用鉄系酸フッ化物正極の開発)
  • 他者の手指作業への没入感を誘発する配信型追体験システムの研究
  • 温度刺激と機械刺激の感覚統合による湿り感錯覚
  • 日常的に健康を見守るセンシングウェア 及び支援技術の研究
  • 呼吸特徴量を用いた時系列分析による心拍間隔の欠損補完とその評価
  • 『営造法式』と中国古代建築からみた浄土寺浄土堂の部材寸法の設計方法の研究
  • 造営尺分析による街区造成時期の推定に関する研究 −瀬戸内海沿岸の港湾都市を対象に−
  • 縁側空間の歴史的研究 −古墳時代から書院造まで−
  • ヨーロッパにおける個人所有の庭及び付帯施設について
  • 中世における茶道前史の研究 −淋汗風呂を中心に−
  • 社会的時間制約の変化に伴う睡眠覚醒リズムの変動と特徴
  • 高齢者における室内温熱環境が生活行動およびQOLに及ぼす影響に関する研究
  • 室内の温熱環境変化に伴う生理心理特性に関する研究
奈良女子大学工学部