
日本とドイツの工学系女子学生
相互交流プログラム
令和7年度(2025年度)より、ドイツ技術者協会(VDI: Verein Deutscher Ingenieure e.V.)の女性技術者ネットワークと協力し、さまざまな企業の支援のもと、日本とドイツの工学を学ぶ女子学生が相互交流するプログラムを開始します。
日本とドイツは、女性エンジニアが少ないという共通の課題を有しています。若手女性エンジニアの育成が急がれていますが、そのアプローチには違いもあります。本プロジェクトは、ドイツおよび日本の両国から工学系の女子学生および若手女性技術者を派遣・交流することで、次のビジョンの実現を目指して企画されたものです。
- 参加者の国際的感覚を養い、国際的なエンジニア交流を促進すること
- 若手女性エンジニアの国際的なコミュニティ形成と人脈づくりに寄与すること
- 女性エンジニアが直面する課題について、国境を越えて考察・提言すること
- 日独の生産・産業現場を視察する研修を通じて、工学的視野と見識を広げること
会員約13万人、ドイツ最大の科学・技術団体
VDI e.V.(ドイツ技術者協会)は、1856年の創設以来160年以上にわたり、エンジニアや自然科学者の支援を行ってきました。今では約13万人の会員を有す、欧州で最も重要で会員数の多い自然科学者およびエンジニアの団体に成長しています。
VDI の女性技術者ネットワーク『Women in the Engineering Profession』(非営利団体)
ドイツの様々な企業・機関から約 11,000 人の女性エンジニアが参加しており、 1965年のネットワーク創設以来、彼女らに交流と相互支援のプラットフォームを提供しています。団体が掲げる目標は、テクノロジー業界の女性たちとつながり、インスピレーションを与え、女性たちが技術的な経験や個人的経験を効果的に活用できるようにすることです。
プログラム構成
本プロジェクトの構成は、約半年間にわたり複数の段階を設け、参加者が主体的に学びを深められる内容になっています。

【5月〜6月】とドイツの大学で工学を学ぶ参加者達(未来の女性技術者)による提言の作成、大阪万博での発表
[6/14] 日本とドイツの大学で工学を学ぶ参加者達でのディスカッションとグループワークを通して「エンジニアを志す女性が将来の職場環境に望むこと」を4つの項目に落とし込んだ。
- ①多様性とインクルージョン、公平な環境
- ②仕事における柔軟性
- ③アイデアを共有し、プロジェクトの形成に参加する機会
- ④学習、教育、スキル習得のさらなる機会
[7/17] この内容をふまえて、奈良女子大学の参加者が15分程度のプレゼンテーションにまとめ、大阪万博 Women’s Pavilion WA-Space
の壇上で6名の参加者が共同で発表した。
【9月】日独合同 ドイツ研修プログラム
奈良女子大学工学部とドイツ全土から参加する本プロジェクトの学生が、ドイツで共に学ぶ経験型学習機会。
見識を深めながら文化を超えて意見交換をすることで、対応力・柔軟性や主体性を身につけた未来の女性技術者に必要な能力を養成することを目的として実施。
約1週間にわたり共同生活を送りながら、ドイツの生産現場、工科系大学、EMO欧州工作機械国際展示場の視察、ドイツ技術者協会・女性技術者の会のコングレスへの参加などを行った。


オンラインセミナーの実施と大阪万博 Women’s Pavilionでの発表
[2025/7/17] 大阪万博 Osaka Women’s Pavilion 2025 にて「未来の女性技術者」の視点から、産業界への抱負と展望についてを発表
事前にオンラインでディスカッションとグループワークを実施し、日本とドイツの大学で工学を学ぶ参加者達の視点から、「エンジニアを志す女性が将来の職場環境に望むこと」を4つの項目に落とし込みました。
その成果をもとに〈大阪万博での発表〉を参加者が主体となり企画し、7月17日にはWomen’s Pavilionにて「未来の女性技術者」としての抱負と産業界への展望についてプレゼンテーションを行いました。



ドイツ研修プログラムについて
「ドイツ研修プログラム」については、次の記事で掲載しています。ぜひご覧ください。


研究者紹介
藤田 盟児 (FUJITA Meiji) 教授、R4~R6年度工学部長
建築芸術学、保存再生、都市史、 建築史

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