奈良女子大学工学部が本年度4月1日に開設され、工学部の第一期生の授業が4月中旬から始まっています。
女性エンジニアの数は全国的に見てもまだまだ少ないのが現状ですが、
本学は女子大学としては全国で初めて工学部を設置し、未来への変革の一歩を踏み出しました。
そんな新設工学部では、「十人十色の女性エンジニアを育てる」学生主体の革新的なカリキュラムが計画されています。
コラムでは、そんな工学部一年目の授業風景を、教務補佐員の目線から数回にわけて紹介していきたいと思います!
前回は、造形基礎演習を紹介しました。 第三回目は、批判的思考I(選択:音楽)です。 前期の授業内容を振り返ってご紹介します。
批判的思考I
批判的思考Ⅰは、工学と異分野のつながりを学び、今日の工学に足りないものは何かを考える授業です。
必修科目で、「工学ではない分野」である社会学、心理学、東西の哲学、音楽、美術などの分野に分かれており、各自そのうちの2分野を学びます。
授業内では、専門の教員から、その分野の基本的学識を学んだ後、その分野の視点に立って現代工学や産業を批判するレポートを作成します。これを通じて、異なる立場から正しく批判する方法と体験、異分野に対する興味と理解を身につけ、現在の工学の限界と発展可能な方向性などを思考・検討していきます。
選択テーマ:音楽
今回ご紹介する授業は、音楽分野を選択した場合の授業です。
担当教員:北條 美香代
この授業では、前半に様々な楽器や音の出る機材を使って、
固定概念にとらわれない試行・即興の作曲や演奏などをしました。
写真の最初の円の図が、”楽譜”の役割をはたすものです。それぞれ個人の想像力を使いながら、図の順で器具をおもいおもいに演奏し、最後に録音していきます。
後半は、組み立て式のシンセサイザーをつかって、自分が選んだ情景を、音とレゴブロックで表現するという課題に取り組みました。
ただ試すだけではなく、最後に成果を発表しパフォーマンス(演奏)する機会が設けられており、受講生たちは発表にむけて試行錯誤し、授業では個性豊かなLEGOに不思議なシンセサイザーの音がシンクロして、とても見応えのあるものでした。
その発表の様子は記事下部の動画で見ることができます。