奈良女子大学工学部が本年度4月1日に開設され、
工学部の第一期生の授業が4月中旬から始まっています。
女性エンジニアの数は全国的に見てもまだまだ少ないのが現状ですが、
本学は女子大学としては全国で初めて工学部を設置し、未来への変革の一歩を踏み出しました。
そんな新設工学部では、「十人十色の女性エンジニアを育てる」学生主体の革新的なカリキュラムが計画されています。
本サイトでは、そんな工学部一年目の授業風景を、教務補佐員の目線から数回にわけて紹介していきたいと思います。授業が始まったばかりの4月。どんなことを学んでいるのでしょうか?
第一回目は「電子工学」の授業をご紹介します。
次回は「造形基礎演習」を取材する予定です。
電子工学
教員:佐藤 克成
この講義は、ブレッドボードを用いた回路の構築といった実践的な内容を通して、電磁気学、電子回路、および制御と電子工学に関連する基礎的な知識を身につけることを目指しています。人々の生活に欠かせない電気で動く製品は、電子回路で構成・制御されており、その仕組を学ぶことはこれから工学部で学んでいく多様なモノづくりのベースとなるでしょう。
授業初回からは、「Arduino 」という、シンプルで理解しやすく、安価でオープンなハードとソフトの両方からなるシステムを使い、電子工学について基礎から学んでいきます。
授業では真剣なまなざしで作業をする学生さん達。この授業ではPCと「Arduinoはじめようキット」を使って行われます。
細かい作業で差し間違いに気を付けながらも、Arduinoって何?と戸惑っていた学生さん達も数回の授業で抵抗やスイッチをきっちり使いこなし、LEDの点灯に成功です。
Arduinoとは、「Arduinoボード」というハードウェア/基板と、「Arduino IDE」というオープンソースのソフトウェアからなるシステムです。Arduinoはシンプルかつ学びやすく設計されており、またハードウェアが安価で手に入りやすく、ソフトウェアは無料なので、これから学習を始める学生にはぴったりのシステムといえるでしょう。
また、オープンソースならではのコミュニティがあることも大きな魅力のひとつで、世界中の技術者やユーザーがデベロッパーとして改良や開発を日々行い、情報交換をしています。興味や関心が引き出されてきた時には、開発者の側に立つということもできるかもしれません。
自分が組み込んだ回路が動いた時はうれしそうです。手のひらサイズの制御コンピューターで無限の可能性への挑戦は始まったばかりです。