総合型選抜 探究力入試「Q」について
大学入学共通テストを課さない特別入試とし、多様な学生を選抜するため2つの異なる評価基準(Q2型とQ3 型)で選抜します。
大学での研究、研究計画の作り方など関連動画をWeb で公開中。
Q2 型では、第1次選考で高等学校における学びを評価します。第2次選考では「多彩な人材との交流による知識の融合」と「他者の理解による自己特性の認識」の観点から、科学技術分野への興味と意欲、技術者としての適性や主体性、多様な人々と協働する姿勢などを多面的に評価します。 提出書類は、志望理由書と研究計画書の二種類があり、 ※実際には、準備された様式にパソコンを利用して作成したものを提出していただきます。 Q² 型についての理解を深めるために、第2 次選考の概要についてサンプル問題として公表します。あくまで例として作成したものですので、課題の内容や日程は仮のものです。詳しい日程は試験当日に公表します。 第2 次の選考の概要 第1 次選考合格者に対して、2 日間に渡ってグループで実験や解析(データ・資料の読み取り①)、グループでの議論や発表(グループディスカッション②)、個人でのレポート作成(③)や個別ディスカッション(④)を第2 次選考として実施します。それらを複数名の採点委員が多様な観点から採点し、結果に従って受験生の総合的な資質を評価し、第2 次選考の合格者を決定します。 ① データ・資料の読み取り、グループでの実験や解析 ② グループディスカッション、グループでの議論や発表 ③ 個人でのレポート作成 ④ 個別ディスカッション 地球大気における二酸化炭素濃度や、室内で発生する空気汚染物質、人間の呼気に含まれる二酸化炭素濃度などについてと、室内空気を清浄に保つために行われる空気汚染物質を除去するための換気方法や換気量の基礎的な考え方について、講義を行う。さらに「建築物衛生法(ビル管理法)」における室内環境基準としての二酸化炭素濃度についても資料を提示して解説を行う。 ■ 実験・解析課題の例 室内の換気は重要です。教室の空気環境を適切に整えるためにはどのように換気すればよいでしょうか。教室の二酸化炭素濃度を計測し、そのデータをもとに適切な換気の方法について考え、より良い方法について検討しなさい。 注 機器の使用方法や仕様など機材の使用に必要な知識や、室内の二酸化炭素濃度の基準、人の呼気に含まれる二酸化炭素濃度などの解析に必要とされる知識は、レクチャー内で説明するものとします。また、それらに必要な補足資料についても準備するものとします。
2つの総合型選抜 Q2型・Q3 型について
Q3 型では、第1次選考で課題創造力および問題探究能力を中心に評価するために、中等教育課程における課題研究活動を踏まえた「研究計画書」の作成を課題とし、主体的な学修姿勢、新たな課題の創造と問題探究能力を評価するとともに、高等学校における学びを評価します。第2次選考では、第1次選考で作成した「研究計画書」に関するプレゼンテーションおよび質疑応答から、専門領域についての関心に加え、主体的・協働的な学びを行うためのスキルと態度、課題創造力、問題解決力、コミュニケーション能力、理解度、意欲などを総合的に評価します。Q2(スクエア)型 選抜方針 データや資料の処理作業、ループディスカッション、レポートによって、基礎学力、科学技術分野への興味と意欲、技術者としての適性や主体性、多様な人々と協働する姿勢などを多面的に評価します。 選抜方法 第1次選考を実施し,その合格者に対して第2次選考を実施します。
第2次選考の結果のみを総合的に判断して最終合格者を決定します。試験内容 第1次選考(書類のみ)
- 調査書
- 志望理由書
第2 次選考(対面式)
- データ・資料の読み取り
- レポート作成
- グループディスカッション
- 個別ディスカッションQ3(キューブ)型 選抜方針 これまでの探究活動の経験から、大学で研究したいことについて研究計画書を作成し、それらをプレゼンすることで、主体的な学びの能力と課題を理解し対応する能力について多面的に評価します。 選抜方法 第1次選考を実施し,その合格者に対して第2次選考を実施します。
最終合格者は、第1次選考の結果及び第2次選考の結果を総合的に判断して決定します。試験内容 第1次選考(書類のみ)
- 調査書
- 志望理由書
- 研究計画書
第2 次選考(対面式)
- 研究計画書についてのプレゼンテーション
(形式は自由 ・発表10 分程度 ・質疑応答15 分程度)
探究力入試「Q」の提出書類について
以下のような内容を想定しています。志望理由書 あなたが「工学部の求める学生像」に合致していると考える理由を、これまでの探究活動(課題研究など)や社会貢献活動などから、具体的に説明してください。また、大学入学後にその体験や学びをどのように生かしてどんなことを「探究」したいと考えているのかも併せて記述してください。
(様式A4 サイズ2 枚程度)研究計画書 1.【これまでの研究(探究)活動】(様式A4 サイズ1枚程度)
① 研究を遂行する能力を示すために、これまでの研究(探究)活動を述べてください。これまで主体的に実施してきた研究だけでなく、協力者として参加した研究についても記述してください。
② 取り組んだ研究の背景や動機、研究の特色と独創性、問題点と改善点について記述してください。
③ これまでの研究活動の成果(発表など)について記載してください。
2.【これからの研究(探究)計画】(様式A4 サイズ2枚程度)
(1) 研究の背景
これからの研究(探究)の着想に至った経緯等について記述してください。
(2) 研究の特色・独創的な点
本研究の特色、着眼点、独創的な点について記述してください。
(3) 研究計画・内容(図表を含めてもよいので、わかりやすく記述してください)
大学に入学してから4 年間の研究計画について記述してください。
①自分の資質と本学で身につけたい能力を踏まえて、どのような計画で、何を、どこまで明らかにしようとするのか、具体的な計画内容で記述してください。
②本研究が完成したとき予想されるインパクト及び将来の見通しについて記述してください。
Q2型の試験概要と当日の日程(イメージ)
※文中の丸数字は、試験区分(内容)を表しており、以下も同様です。試験会場 奈良女子大学 課題概要 室内の換気について レクチャー内容:「室内での二酸化炭素濃度の変化と換気について
試験日程 〈1 日目〉 12:00~12:45 受付 12:45~13:00 出席確認・連絡事項 13:00~14:00 レクチャー受講 14:00~16:00 グループワーク(①,②)課題に対して適切なデータを取得するための条件などを協議したのち、実際に計測し、データを記録する。 16:00~17:00 レクチャーと実験結果に関するレポート作成および個別ディスカッション(③,④) 〈2日目〉 9:00~10:00 グループワーク(①,②)適切な換気の改善方法について、各自が考えたことをグループ内で発表・協議して1 つの案にまとめる。 10:00~11:00 グループプレゼンテーション(②)グループごとの提案を全体に発表し、質疑応答行う。 11:00~12:00 個別ディスカッションとレポート作成(③,④)他グループの提案に対する評価、自己グループ提案に関する自己評価レポートを作成する。
Q2 型のサンプル問題
「室内の換気についての実験」
実験の概要と手順 ① グループ毎に60m³ ~ 100m³(天井高3m 程度)の比較的狭い試験室において、在室者が数名いる中で、測定器を用いて二酸化炭素濃度の変化を経時的に計測する。 ② 積極的な換気を伴わない場合や、換気扇やドア・窓などの開口を用いて換気を行った場合など、複数の条件で二酸化炭素濃度の変化を経時的に計測する。 ③ 室内の風の流れを可視化するため、蚊取り線香を使用することができる。 ④ 読み取った二酸化炭素濃度について、横軸に時間(分)をとり、変動を表す基本的なグラフを作成する。 ⑤ 二酸化炭素濃度の変化から、室内での二酸化炭素の発生量と換気との関係を考察し、換気について考察する。 使用する計測機器 ・ 計測用紙、グラフ用紙、パソコン(ipad)など。 ・ グループ毎に計時用具など(ストップウォッチ、メジャーなど)が各1台と、二酸化炭素濃度をデジタルで表示する下記の二酸化炭素計測装置2 台。 ※二酸化炭素濃度計測装置仕様(濃度はデジタルで表示され、移動可能) センサ: NDIR 方式
測定範囲 :0 ~ 9,999 ppm
精度:±50 ppm
測定分解能:最小 1 ppm
応答性:約1 分(90% 応答)実験解析・レポート作成のための示唆 ・ グラフについては、考察のために工夫して、複数作成してもよい。 ・ 在室者がいる室内での二酸化炭素濃度の変化を用いて以下の点に注目して考察を行うこと。 ① 特別な換気をしない場合、室内の二酸化炭素濃度がどのように変化するのか、その原因と理由を検討する。 ② 換気方法の違いにより室内の二酸化炭素濃度はどのように変化するのか、その原因と理由を検討する。 ③ 室内環境基準を満たすためには、どのような換気方法が良いと考えるか。 ④ 省エネルギーを考え、過剰な換気ではなく適正な換気にするにはどうすればよいか。
探究力入試 Q³ 型(キューブ) の研究計画書作成への参考動画
「はじめに」総合型選抜Q³ 型(キューブ)
計画書作成 分野別 参考動画集
人間情報分野:生体医工学エリア ( 芝﨑教授)
人間情報分野:情報エリア ( 才脇教授)
環境デザイン分野:材料工学エリア ( 三方教授)