令和4年(2022年) 日本の女子大学史上初
工学部工学科誕生
工学は、未来をつくる学問です。
個人の主体性を活かした分野融合の学びから、
これから人と社会が必要とするモノやサービス、
快適な環境を創造できるエンジニアを育成します。
奈良女子大学工学部は、
「人と社会のための工学」を学ぶ工学部です。
情報化社会の特色の一つは、AIを初めとするソフトウェアが工学に深く関与し始めたことです。20世紀までの力の工学が、知の工学に変化したことで、知のバランスが必要になり女性エンジニアの不足が問題になっています。
このアンバランスを正して世界を変える、多様な視点からの意見に耳を傾け、持続可能な社会を作ることのできる、そんな女性エンジニアを育てるために、奈良女子大学工学部は「人と社会の必要性を考えるリベラルアーツ教育」、「創造性と理工系知識を学ぶSTEAM教育」、「そして多様な人々と交流する力を育てるPBL演習」をカリキュラムの中心にしました。
人間情報分野と環境デザイン分野からなる専門分野は、自分に相応しい学びとキャリア形成ができるよう、入学後に自由に選択できます。
女子大学という環境も活かして、包括的な知識と専門性を身につけた未来を拓くエンジニア・イノベーターを育成します。
工学部の学びの特徴
ワクワクを軸とした「知る、つくる」の循環でクリエイティブな学びを
PBL演習を軸に、「つくること、知ること」を循環的に体験し、実感のある学びから生まれるワクワク感。「感じること、問うこと」から生まれる創造性。「横断的、実践的」な学びを通じて、いろいろな人やモノ、知識や技術と出会い、形成されるコミュニケーション力。それらを身につけて未来をつくるイノベーターを目指します。
入創造的、実践的、横断的。プレイフルな履修制度で自分だけの専門性を形成
履修する科目や年度は、学生が主体的に決めることができます。もちろん、アドバイザーの助言や、生体医工学、情報、人間環境、材料工学の専門性を身につける履修モデルもありますが、自由に科目を組み合わせて学ぶことで、50人の学生がいれば50通りのエンジニアが育つ仕組みにしています。
入学定員45名の少人数教育で個性を伸ばしあなただけの未来をつくる
履修する科目や年度は1学年でみると教員1名あたり学生数約3名の少人数教育だから可能な対話的指導を行います。現代社会で重要な課題創造力、問題解決力、コミュニケーション能力、協働力など、専門知識や技術以外の能力を評価したポートフォリオをもとに、学生の意志を尊重して個々の主体性を伸ばすコーチング指導を実施します。。
養成する人材像
❶
主体性と理解力
豊かな社会を構築する工学系
ネットワークのコアとなる人
課題発見やニーズ創出を行う際に必要となる主体的な学習態度を身につけ、幅広い教養に基づいて多様な課題を理解して対応できる。
❷
専門性と問題解決力
独自の視点から課題を発見し
工学的知見から解決できる人
サービスも含めた「モノづくり」において、自身の専門知識と技術を駆使して、問題解決に対応できる。
❸
社会性と波及力
新たな分野でリーダーとして
キャリアを形成できる人
社会への影響なども考慮しながらチームで協働し、異分野間でも効果的なコミュニケーションができる。
主体性を育てる教育
「いま」工学界で求められているのは、自ら考え、動き、課題を見つけ解決していける人。
主体性とは、何をなすべきかをみつける力。
何をなすべきかは、何をしたいかと、社会の必要性から決まる。
社会の必要性は教養から分かり、何をしたいかは、個性から決まる。
▶︎ 主体的に学び・行動する力を得る
→ 自由履修制と課題解決型演習(PBL)を軸に分野を横断したクリエイティブな学びの機会を提供します。
▶︎ 幅広い教養をもとに、個性に沿った自分だけの専門性をつくる
→ 工学部は専門を超えた協働を可能にするため「工学科」の一学科体制。4つの専門領域を行き来しながら、個々の特性・興味にあわせた履修が可能です。また、充実したリベラルアーツ教育を基礎課程で行い、社会の必要性を紐解き課題を見出すための教養と個性を身につけます。
▶︎ 自己探究型コーチング・プログラムと4年間を通しての教員メンター制度で、一人一人の成長にフォーカスした教育
→ 学期ごとに課題創造力、問題解決力、コミュニケーション能力、協働力など、専門知識や技術以外の能力を評価したポートフォリオを作成し、学生1名につきメンター教員2名で面談・指導を行います。また、希望者は工学部協賛企業が実施するコーチング・プログラムを通年で受講することができます。
STEAM + リベラルアーツの新しい工学教育
理数・工学系の科目(STEM)に、アート系科目(A)と、人と社会の関係を学ぶ人文系科目を加えることで、独創的な”モノづくり”と”価値づくり”を行える人を育てます。
▶︎なぜ、今アートなのか?
芸術では、自由な発想力や想像力、頭の中のアイデアをカタチにする瞬発力を、ゼロから作品を生み出すことで育てます。また芸術ではイメージや考えを言語化し、表現する・伝える力が必要となります。それらの能力は、工学的な能力と組み合わさると、とても良い化学反応が起きるのではと考えます。
芸術(音楽・美術・人文)を学ぶことの重要性は、欧米の主要な教育機関では既に認識・共有されており、例えば世界最高峰の教育機関の一つであるマサチューセッツ工科大学(MIT)では、芸術科目は必修とされ、米タイムズが発表している「THE 世界大学ランキング」の「芸術・人文学分野」で第2位にランクされるほど本格的な学びが行われています。(参照:https://www.timeshighereducation.com/world-university-rankings/2023/subject-ranking/arts-and-humanities )
現代のさまざまな課題を解決し、よりよい未来を作るため、次世代のエンジニアには今までになく創造性が求められています。芸術のもつ「力」は、次世代の創造的なエンジニアにとって必須の素養となっていくでしょう。
一人一人のニーズに合わせた履修制度
カリキュラムについて、工学部の専門領域については、詳しくはこちらからご覧ください。
専門科目単位80単位のうち必修科目以外の51単位を、極めたい専門性によって自由に履修できる制度を導入。
分野や学年を横断し科目選択することで、
自分だけのキャリアをつくることができます。